アジアン家具について。
アジアン家具とは、インドネシアなどの東南アジアで、現地の材料を用い、現地の文化で、現地の人間が作るものです。
プラスチック、化粧合板などの工業製品、とにかく金具が多い組み立て家具、チープな使い捨ての家具に、
長年慣れ親しんだ我々日本の常識では計ることが出来ない、文化です。
機能性、利便性などに優れる工業製品、素材と愛着を持って付き合える無垢の家具、
どちらが優劣かわかりません。アジアン家具の文化は独特ですが、日本の文化も独特かと思います。
とは申しましてもここは日本ですので、日本を基準とした見方から、アジアン家具の文化、価値観、感覚を、
今まであった、お客様からのご意見などを含めまして、ご説明申し上げます。
ここで申し上げますのは、あくまで弊社の取り扱っている家具に関しての事です。
他社様のアジアン家具も、必ずこうです!という訳ではございません。
手作りです。
弊社の家具は、全て手作りです。これが大量生産される工業製品との最大の違いかもしれません。
それに慣れ続けてきた我々日本人にとって、一番、違和感を感じる箇所もココかもしれません。
材料のカットから、部材の製作、組み立て、塗装まで、何の流れ作業も、工程ラインもなく、一つ一つの家具に対して、完成させていきます。
例えば、テーブルの脚を組み立てるにしても、この脚はココ!といった具合に、脚の取り付ける場所がそれぞれ決まっていたり。
これも、大量生産の工程ラインで製作すれば、脚は脚ばっかりで作り、天板は天板ばっかりで作り、
どのテーブルにどの脚を合わせても、合うようになっています。
これが当たり前のようになっている、我々日本人の感覚かと思います。実際、安く作れるでしょうし。
インドネシア人はラフ。
ついつい語弊を招くような言い方をしてしまいました。もちろん几帳面なインドネシア人もいらっしゃるかと存じ上げます。
ですが、日本人の感覚から比較すると、絶対にラフです。
行かれた事がある方はよくご存知かと思いますが、
インドネシアでは、非常にゆっくりとのんびりと時間が流れています。のん気といいましょうか、気楽といいましょうか。
また、素直といいましょうか、無邪気といいましょうか、こんなに喜ぶ大人はなかなかいないだろうと思います。
そういった気質の彼らが作った家具です。
以前、ベッドをオーダーで作ったお客様がいらっしゃいまして、その方はインドネシアに何度も行かれてて、精通されてた方だったのですが、
完成したベッドが、サイズが異なっておりました。全体の幅も、ヘッドボードの高さも。勿論、こだわりを持たれているからこそのオーダーメイドなので、
弊店も責任を感じ、非常に申し上げにくかったのですが、何とその方は、
「インドネシア人にベット作ってゆうて、机がこんかっただけいいよー。」
・・・・・・・名言です。
この方の心の寛大さもあるのですが、確かにそうなのです。
インドネシアから、月に3本から5本、コンテナを受取る弊社ですが、いまだにコンテナを開けてビックリ驚く事が多々ございます。
頼んだ商品と、色違い、サイズ違いは良くあることで、たまにはデザイン違い←(違う商品になっています。)もございます。
言い出したら終らない程、例えがありますが、とにかくインドネシア人は、日本人の感覚から比較すると、絶対にラフです。
↑写真の彼は現地のカリマジ担当のウリュです。日本の女の子に興味があって仕方ありません。ご覧の通りノンキです。
目隠しをしません。
一般的に、多くの家具は、裏面、底面などの表から見えない箇所は、美しく仕上げません。
そこにコストを掛けて、良い材料を使っても意味が無いからです。ここまでは世界共通です。
ですが、汚いままだとお客様の印象が悪い!お金を掛けずに何とかならないか!という事で、目隠しとして、布を貼ったり、薄いベニヤを貼ったりしてあります。
これが、私達、日本人の感覚ではないでしょうか。いつの間にか我々は、布で隠してあれば、ベニヤで隠してあれば、美しいものという意識を持つようになったのかもしれません。
インドネシアは隠しません。丸出しです。勿論、表から見える箇所では、美しく仕上げてありますが、見えない箇所は、そのままです。例えば、そこに布でも貼ってあって、その汚い部分が見えなければ、私たちはそれは美しいものと判断される方も多いでしょう。
ですので、たまに驚かれる方もいらっしゃいますが、ウォーターヒヤシンスの裏側のベニヤが割れていたとか、ベニヤの表面がめくれていたとか、
タッカーの針が出ていたとか、木材が切りっ放しである、材料をカットする時に書いた線があったり、メモがあったり。
全部の商品と言っても良い位、よくございます。でも、それが手作りの跡ですし、ただ隠してないだけなんですけどね。
ちなみに上の写真はソファテーブルのウォーターヒヤシンスの裏側です。
金具が苦手。
強い、狂いが生じない、簡単に安く家具が作れるの、申し分なしの金具が、インドネシアは苦手です。
インドネシアの金具といえば、真鋳製のアンティークな雰囲気の物が多く、
日本製のような、鉄製やステンレス製の精巧な金具は、ない事もないのでしょうが、少ないです。
机の引き出しのレール、テーブルや机の脚の組み立てる箇所など、普通ココは金具やろーという箇所まで、木で出来ております。
従いまして、精巧な金具を使用した家具と比較いたしますと、機能性、利便性、強度で劣っている場合がございます。
歪み。
寸分の誤差も無く、精巧に作られている、大量生産されている工業製品とは違います。
天然の素材を用い、一つ一つ、手作りで作成しておりますので、水平器とスケールを持って、細かく探してみると、
絶対にどこかに歪みはございます。どこの箇所を測っても100%90度直角でという訳にはいきません。
弊店の一番売れている、定番のアイテムのガラスが乗っているテーブルがございます。
先日、そのテーブルをご購入いただいたお客様からご連絡を頂戴しました。
「ガラスを置く向きを変えると入らないんです。」仰る通りです。
実際、現地インドネシアでは、そのように、ひとつひとつ、手作業でテーブルを作り、
そのテーブルに合わせて、1枚1枚、ガラスを作製いたしております。
決まった仕様のサイズで、ガラスをカットし、機械を用い、工程ラインで、テーブルを大量生産すれば、
コストも安くりますし、人件費も大幅に安くなります。
テーブルに合わせて、ガラスを作製するのは、大変な労力です。ですが、インドネシアのアジアン家具は、ひとつひとつ手作りです。
補修の跡。
これはアジアン家具だけという訳ではなく、大なり小なり無垢の家具には付き物ではないでしょうか。
集成材のウレタン塗装の家具には少ないと思いますが。
他の家具屋様の事は存じ上げませんが、弊店の家具には、写真のような木部を補修した跡がある場合がございます。
まったく同じ革は2枚とございません。
コレは、レザーチェアの事です。
複数御注文頂いた場合(ダイニングセットなど)に、
「このチェアのレザーは硬いけど、こっちのチェアのレザーは柔らかい。」
「このチェアのレザーは傷、補修の跡がないけど、こっちのチェアのレザーは傷、補修の跡がある。」
「このチェアのレザーはザラザラぽいけど、こっちのチェアのレザーはツルツルぽい。」
などのお声を頂戴した事がございました。
誠に恐れ入りますが、天然の水牛の革を使用しておりますので、
同じ革は2枚とございません。硬い革があったり、柔らかい革があったり、
傷があったり、(あまりに酷いのは検品ではねておりますが、小さいのはあったりします。)
補修の跡があったり、質感が異なったりする場合がございます。水牛が実際に生きた間に傷ついてしまうことも多くございます。どうか、ご理解いただけますよう、お願いいたします。
人工の革であれば、全て同じ物で揃えれるのですが、何分自然素材を使用いたしました、ハンドメイドの家具でございます。何卒、ご容赦くださいますようお願いいたします。
除虫処理はしつこいくらいやってます。
これは、個人輸入などのアジアン家具に多くございます。 基本的にコンテナでは、お互いの国の決まりで、燻蒸処理がされてないものは、輸出入できません。燻蒸証明書もございます。
弊店の家具は、まず部材の段階で超強力な殺虫剤のプールに浸してから、家具を製作しております。
そして完成後、コンテナごとに燻蒸処理を行っております。
また、現地出港後、海の上のコンテナ内の温度は約70〜80度まで上昇します。 仮に、殺虫剤、燻蒸処理を潜り抜け、まだ虫が潜んでいたとしても、このコンテナ内の温度で死んでしまいます。
そして、日本に来ても弊社の倉庫でまた、燻蒸処理を行います。
しかしながら、木の繊維の奥まで覗き込んで見る事は出来ず、弊店の実績から申し上げますと、 年に2〜3件、虫が出たという報告を受けております。率で申し上げますと、0.00・・%でございます。 とはいえ0件ではございません。 これはインドネシアだからどうとかじゃなくて、中国でも日本でも木には虫がいます。 ウレタン塗装の膜に、虫が中に閉じ込められて、出てこれないという事はあると思いますが、 弊店の家具はオイル塗装で、出てこれます。
もし、お使い頂いていて、虫が出たら、出来るだけ早い段階でご連絡をください。 状況に応じて、責任を持って対応させて頂きます。 今後も引き続き、虫が出ないよう、製造元と努力して参る所存でございます。
でも、元々虫は木に住んでて、人間が後からやってきただけなんですけどね。