teak leather high stool《antares》
アンタレスという名は、古代の人々が夜空を見上げ、そこに宿る力を感じ取った時代から語り継がれてきた星の名です。 さそり座の中心で赤く燃えるその星は、ギリシャ神話では“火星に対抗するもの”と呼ばれ、戦いの神アレスに匹敵するほど強い輝きを放つ存在として恐れられ、敬われてきました。 ただ明るいだけではなく、空の秩序を形づくる中心的な星として、古代の航海者や占星術師たちにとって特別な意味を持っていたのです。 その名を冠したハイスツール「アンタレス」もまた、空間の中で静かに中心をつくる力を持っています。
チーク無垢材の深い色合いは、夜空に浮かぶ赤い星のように温かく、どこか神秘的。 水牛革の座面に打ち込まれた真鍮鋲は、星々を結ぶ神話の線のように、存在に輪郭を与えます。 ただ置かれているだけなのに、空間の重心がそっと整い、場の雰囲気が引き締まる。 それはまるで、古代の人々がアンタレスを“空の中心”として見上げた感覚に近いものがあります。
息づくコロニアル文化の継承
アンタレスの佇まいには、インドネシアが歩んできた歴史と素材文化が静かに宿っています。 オランダ統治時代に持ち込まれたヨーロッパのクラシック家具は、現地の豊かなチーク材と職人の木工技術、水牛革という生活に根付いた素材と結びつき、独自の“インドネシア・コロニアル”へと進化しました。
曲線を生かした木のフレーム、真鍮鋲の装飾、厚みのある革張り。 それらはヨーロッパの意匠を受け継ぎながらも、熱帯の気候に耐える実用性と、現地の素材美を融合させたスタイルです。 アンタレスは、その文化の流れを現代的に整えた一脚。 過度な装飾を排しながらも、チークと水牛革が放つ重厚な存在感が、空間に“コロニアルの記憶”を静かに漂わせます。 インドネシアの歴史、素材、職人技が重なり合って生まれた文化の系譜。 アンタレスは、そのエッセンスを現代の暮らしに美しく落とし込んだハイスツールです。
インドネシアの暮らしが育てた強靭な革
アンタレスの座面に使われている水牛革は、インドネシアの生活文化と深く結びついた素材です。 水牛は古くから農耕や儀式、伝統工芸に欠かせない存在で、その革は強さ、厚み、湿気への耐性を理由に、日常の道具づくりに広く使われてきました。こうした背景から、水牛革は“実用性を極めた革”として発展してきた歴史があります。
繊維が太く密度が高い水牛革は、傷に強く、伸びにくく、型崩れしにくい。 高温多湿のインドネシアでも長く使える耐久性を持つため、家具の座面として非常に相性が良い素材です。 とくに、革を均一に張り、真鍮鋲で固定する技術は、太鼓づくりなどの伝統工芸から受け継がれた職人技で、世界的に評価されています。 使い込むほどに色が深まり、艶が増し、表情が落ち着いていくのも水牛革ならでは。 アンティーク家具のような重厚な経年変化が楽しめるため、アンタレスの座面は時間とともに“味”を育てていきます。 インドネシアの素材文化、職人技、そして実用性を追求してきた歴史があります。
座面構造のこだわり
アンタレスの座面は、見た目の重厚さだけでなく、内部構造にもこだわりが詰まっています。
まず土台となるのは、職人が一本ずつ丁寧に張り込んだウェービングベルト。 このベルトがしなやかに荷重を受け止め、座った瞬間の“沈み込みすぎない柔らかさ”をつくり出します。 硬い板座とは違い、体圧を分散しながらしっかり支えるため、長時間座っても疲れにくいのが特徴です。
その上には、密度の異なるウレタンフォームを重ね、適度な弾力と厚みを持たせています。 ウェービングベルトのしなりとウレタンのクッション性が組み合わさることで、 “硬すぎず、柔らかすぎない”絶妙な座り心地が生まれます。 バーやカウンターで長く過ごすシーンでも、安心して体を預けられる快適さです。
最上層には、厚みのある水牛革を贅沢に張り込み、真鍮鋲でしっかりと固定。 革の張り具合は職人の技が問われる工程で、均一なテンションで張られた座面は、 見た目の美しさだけでなく、耐久性にも優れています。 使い込むほどに革が馴染み、艶が深まり、座面全体が“育っていく”のも魅力です。
ウェービングベルトのしなやかさ、ウレタンフォームの快適さ、そして水牛革の重厚な存在感。 この三層構造がアンタレスの座り心地と耐久性を支え、長く快適にお使い頂ける価値を生み出しています。
深く静かに育つ。
アンタレスのフレームには、世界的に評価される高級木材チーク無垢材を使用しています。 チークは古くから王宮建築や高級船舶にも使われてきた木で、油分を多く含むため、湿気や乾燥に強く、反りや割れが起こりにくいのが特徴です。その密度の高さから生まれる重厚な質感と、金色を帯びた木目の美しさは、他の木材にはない存在感を放ちます。
アンタレスでは、このチーク材の魅力を最大限に引き出すために、オイル塗装で仕上げています。 オイル塗装は、木の表面に膜をつくらず、木の内部に浸透して保護する仕上げ方法。 そのため、チーク本来の手触りや温かみを損なうことなく、木目の立体感や色の深みをそのまま感じられます。 光の角度によって表情が変わる艶やかな木肌は、オイル仕上げならではの魅力です。 使い込むほどに、チーク材は黄金色から深いブラウンへと変化し、 オイルを重ねるたびに艶が増し、木目がより際立っていきます。
この“育つ家具”としての魅力は、無垢材とオイル塗装の組み合わせだからこそ生まれるもの。 時間とともに色が沈み、質感が落ち着き、アンティークのような風格を帯びていく過程は、 まさにチーク材が持つ最大の価値と言えます。
アンタレスは、素材そのものの美しさを生かしながら、長く使うほどに味わいが深まる一脚。 チーク無垢材とオイル塗装が生み出す豊かな経年変化は、日々の暮らしに静かな上質さを添えてくれます。
重すぎず軽すぎず。
アンタレスの重さは約6kg。 この数字は、ハイスツールとしての使い心地と安心感を決める大切な要素です。 軽すぎるスツールは座ったときに揺れやすく、体を預けると不安定になりがちですが、アンタレスはチーク無垢材ならではの適度な重量がしっかりと脚部に宿り、座った瞬間に“動かない安定感”を感じられます。カウンターで長く過ごすときも、安心して寄りかかれる落ち着きがあります。
一方で、6kgは日常で扱いやすい重さでもあります。掃除のときに片手で持ち上げられ、レイアウト変更もスムーズ。見た目の重厚さからは想像できないほど軽やかに動かせるため、家庭でも店舗でもストレスなく使えます。 安定感と扱いやすさ、その両方を維持する絶妙なバランスです。
アンタレスは、長く使うほどに味わいが深まる素材でつくられていますが、 家具は日々の暮らしの中で少しずつ変化していくもの。 座面のクッションの経たりや、ウェービングベルトの緩み、革の摩耗など、 年月とともに生まれる変化にも、しっかり向き合えるようにしています。 当店では、座面クッションの交換、ウェービングベルトの張り替え、革の張替えなど、 必要に応じて有償での修理対応を承っています。 内部構造を熟知した職人が一つひとつ丁寧に作業を行うため、 購入後も安心して長くお使いいただけます。
「気に入った一脚を、できるだけ長く使いたい」 そんな想いに応えるために、アンタレスは“育てる家具”としての価値を大切にしています。 修理しながら使い続けることで、素材の表情はさらに深まり、 世界にひとつだけの風合いへと育っていきます。
詳細情報
◆商品名:チーク・レザー ハイスツール《アンタレス》
◆サイズ:W38cm/D38cm/H73cm(クッションの膨らみ7cm含む) 重量約7kg
(ハンドメイドですので若干の誤差はお許し下さい)
◆素材:チーク無垢材
◆製造元:インドネシア
◆送料:無料です。
お届け先が以下の地域は追加送料が発生します。
北海道¥1,000、沖縄¥2,000、離島はお見積させていただきます。
◆備考:ハンドメイドの家具の特徴として、少々の歪み、少傷がある場合がございます。


