無垢の家具。

無垢の家具と申しますのは、木そのものを使用した家具の事です。 木の絵のプリントを貼っている訳でもなく、突き板といわれる、合板の上に薄い板を貼ってある物とも違います。木そのものです。
私共が申し上げます無垢材は、一枚物ではございません。 板には、一枚物もあれば、集成材といわれる、板を繋ぎ合わせたものがございます。 集成材の中でも、横接材とは、板を縦では接がず、横方向(木目方向)にだけ接いだものです。弊店の家具で多いのは、こちらの横接材です。木目と木目が同じ方向に継がれますので、つなぎ目がとても分かりにくいですし、その間隔(ピッチ)も15-20cmのものが多く、かなり広めで、とても豪華な印象を受けます。
お察しの通り、特にチークに関しまして、一枚物は非常に高価です。高価どころか、探すのも困難です。

呼吸をする家具。

木は家具という製品になっても呼吸をします。だから伸縮したり、変化もします。木が生きている証です。
(オイル塗装に限ります。塗装の幕を張るウレタン塗装では呼吸をしません。)

木の調湿機能。

木が呼吸をする目的はココにあるのではないでしょうか。 なんと木には驚くべき力が隠されてありました。調湿機能といわれるものです。一体、調湿機能とは何ぞやと申し上げますと、 その字の通り、湿度を調整する機能です。
木は本能的に、空気が乾燥すると湿気を吐き出し、乾燥を和らげようとします。逆に空気中の湿度が高いと、湿気を吸い込みます。
木は、その呼吸により、部屋の湿度を調整するために、我が身を犠牲にしているのです。
空気中の乾燥を和らげるために湿気を吐き出し、木は痩せていきヒビや割れの原因となっていきます。湿度が高いと、湿気を吸い込み、木は膨張します。 これが木が変化する理由です。

無垢の家具は家に根付く。

日本の職人さんが素晴らしい技術で作り上げる婚礼家具と言われる家具の需要は、 年々減少していっている傾向にあると、よく他の家具屋さんから聞きます。
そういった楢や、桐などの無垢で作り上げられた婚礼家具は、結婚して新しい家庭の新居に、 搬入、設置されて、何十年とその場所に置かれる事となります。なんなら、次の世代へと引き継がれていきます。まさに家に根付くイメージです。
と申しましょうか、実際に木は家に馴染むのです。
購入当初ガタツキがあった家具でも、無垢の家具は本体自体に重量があり、引出しに物を入れたり、天板の上に物を置いたり、 実際に使い始めると、家具に掛かる重量は相当な物です。 その重量に、経年変化が加わり、ガタツキが落ち着く事もあります。
無垢の家具は、家に合わせて、馴染んで、根付いていきます。

乾燥は無垢の家具にダメージを与える。

乾燥した空気は木にダメージを与えます。ヒビや割れなどです。ダメージといいましょうか、木の調湿度機能といわれる本能なのです。 特に、日本へやって来たインドネシアの高温・多湿な気候で育った木は、冬を初めて経験します。 そして、冬の乾燥した空気や、エアコンに 後の乾燥した空気に慣れる事が出来ず、体内から湿気を多く吐き出してしまいます。結果、ヒビや、割れの原因となってしまいます。
逆に湿気が酷いと、湿度を吸い込み木は膨張します。その膨張により引き出しが固くなったり、また乾燥したらスムーズになったりなどの変化も起こり得ます。
これらの変化は無垢材の宿命であり自然の摂理です。

無垢の証。

しかしながら、乾燥、湿気によるその変化は『無垢材の証』であります。
木の絵のプリントを貼った家具や、木の呼吸を止めてしまったウレタン塗装の家具、もちろんスチール、プラスチックの家具では、絶対に有り得ないことです。
コップを使った跡の輪染みだとか、家族が肘をよく置く場所が黒ずんできたりだとか、子供のいたずらで出来てしまった傷など、 そういったひとつひとつの変化は、木の表情となり、家具に個性をもたらせます。
その個性は世界に一つだけのものとなり、二つと同じ家具は生まれません。それは紛れも無く、使った人の思い出となり、 家族の生活と共に変化する家具を、暖かく見守ってあげる事が愛着のこもった家具をつくっていきます。

カリマジの環境保全活動。

木の家具を作る事に対する反対側で、地球が緑を失っている現実があります。 そこで、私たちは『一件ご注文頂くごとに、インドネシアにチーク植林1本分を寄付』を、「NPO法人地球の友と歩む会」様を通じて行っております。
もちろん1件のご注文が、チーク1本分も消費いたしませんので、 カリマジの家具が売れれば売れるほど、インドネシアにチークが増える訳です。 しかも、お客様のご注文が植林1本に直結いたしますので、 あなたのご注文が、インドネシアに1本のチークを植える。 という事です。なんだか嬉しくなりませんか?


家具の塗装。

カリッジマーケットの家具、全てがオイルによる自然塗装です。 一体、オイル塗装とは何かと、簡単にご説明申し上げます。まず家具の塗装には簡単に分類いたしますと、下記の2種類の方法がございます。

一般的に多い化学的工業製品。

一つは、ウレタン塗装、ラッカー塗装といわれる、木材の表面をコーティングするようにポリウレタン樹脂の膜をつくり、表面を保護する方法です。 一般的に多く使われており、非常に丈夫でお手入れや掃除も簡単ですが、 シックハウス症候郡などの原因と言われているホルモアルデヒトなどの有害な化学物質を含む事があったりの化学塗装です。

塗膜で覆いますので、木材の呼吸を強制的に止める事になります。木材は家具になっても呼吸をします。
またコーティングされておりますので、木を触ることは出来ませんので、もちろん質感を楽しむ事も出来ません。傷がついても修理は困難です。
分かり易く申し上げますと、木を透明の化学物質で覆ってしまうという事です。
もはや木というよりは、プラスチックに近いかもしれません。紛れも無く、工業製品です。

カリマジ家具のオイル塗装。

カリッジマーケットの家具は全て、オイルを木材の繊維に染み込ませることにより、保護するオイル塗装です。 有害な物質を含まない自然塗装として、近年注目されております。
安全であるという事は良いのですが、 ウレタン塗装と違いコーティングされませんので、保護力は弱いです。 熱に弱く、熱いコップや、鍋などを直接置かれますと、輪染みという染みの原因になります。 水にも弱く、何かを溢したりして放置すると、これも染みの原因となります。 基本的に木目に染みこませているだけですので、雑巾で擦ったりすると、色が落ちる場合がございます。 工業製品に慣れている多くの方々にとっては、大変面倒な家具になってしまいます。

まさに木を剥き出しにした、この塗装方法こそ無垢の家具、本来の意を持つものだと考えます。 木に直接触れ、質感を楽しみ、木の美しさを生かし、木と共に呼吸をし、生きることが出来る家具です。
その木の呼吸こそが、ウレタン塗装とオイル塗装、最大の違いであります。 前に申し上げました、木の調湿機能が発揮出来るという訳です。

オイル塗装の家具は、使い込む程に色艶が増し、味わい深くなっていきます。 同じ家具でも使う人によって、木の表情が違い、家具に個性が生まれます。木が剥き出しなオイル塗装の家具には家族の思い出が染みこみます。

オイル塗装の色落ち。

前文に申し上げました通り、オイルを木材の繊維に染み込ませているだけの塗装方法で、 ウレタン塗装のように塗膜でコーティングされている訳ではございません。
生きている木に直に触れて頂き、安らぎと温かみを楽しみながら、家族と共に時間を過ごし、思い出が染み込んでいく様子をお楽しみいただく、家具でございます。
水拭きなどをされますと、色落ちの原因となります。水を含まなくても、雑巾で強く擦ったりすると、色が写る場合もございます。雑巾も茶色くなったり。
もし実際に使っていて、家具の色が薄くなってきた場合、ホームセンターなどで市販されております、オイルステイン(油性)で、簡単に塗装をし直す事が出来ます。塗装方法は下記へ。

オイル塗装の塗装方法。

家具の塗装なんてとんでもなく難しい!と思ってらっしゃる方が多いかと思います。 確かに、ウレタン塗装なんかは、職人さんでないと出来ません。ですが、オイル塗装は大変簡単なんです。 しかもムラは殆ど出来にくく、美しく仕上がります。

1.まずハケか雑巾に、オイルステインを含ませ、木目に沿って染み込ませるようなイメージで着色します。
2.塗料が乾かないうちに、余分な塗料を拭きとってください。数分で乾きます。この時に、余分な塗料を拭き取らないまま、乾かしてしまうとムラになってしまいます。
3.周りの色と馴染むまで、何回か繰り返します。
4.乾燥させて完成です。

初心者にも出来る簡単な塗装方法なのですが、実際に色を塗る前に、不要な木などで実験してみてください。


無垢の家具のお手入れ方法。

木を乾燥からヒビ、割れ、反りなど生じないように100%完全に守る方法はございません。
ですが、出来るだけ防ぐ方法として下記の通りでございます。

直射日光のあたる場所、エアコンが直接あたる場所などは極力お避けください。

やっぱり生きてる木なので、ずっと日に当たったり、エアコンの風に直接あたる場所は良くないです。
極端に乾燥する場所、湿気が多い場所は、木に変化を与えてしまいます。水を入れたコップを家具の中に入れたり、 加湿器を置いてみたりすると効果的です。


濡れたコップ、熱を持った食器などは輪染みの元となります。コースター、マットなどをご使用下さい。

オイル塗装されただけの木は、水や熱を与えると変色します。
ウレタン塗装のような強力な化学物質の塗膜でコーティングされてないからです。
分厚い化学物質の塗膜を張れば、強く保護され、こんなに面倒な事はないのですが。 私的には輪染みも味かと思います。


お掃除される場合は、出来るだけ硬く絞った(水気を含んでいない)布を使用してください。

オイル塗装は水拭きされますと、色が落ちます。一気に落ちてしまう訳ではございませんが、ちょっとずつ薄くなってしまいます。 水を含んでなくても、強く擦ると落ちます。これも、オイル塗装の特性で、コーティングがされてないからなのです。
例えばよく肘をついていた場所が特に色が薄かったり、よくコーヒーを飲む場所に輪染みが多かったり、家族と共に過ごした時間がそこに残り、愛着となっていきます。
もし、美しい状態で長く使いたい、お手入れが楽がいい、小さなお子さんがいらっしゃるといわれる方には、別売りのアクリル板がお勧めです。ビニールマットとは異なり、高級感が増し豪華な印象を受けます。


たまに油分を与えてあげてください。

人間の肌と同じようにお考えください。風呂上りなど乾燥した肌に、乳液を塗って潤いを与えるような感覚です。
ホームセンターなどで、チークオイルや、天然木用オイル、オレンジオイルなどよく見かけますが、雑巾に含ませて磨いてあげると、驚くほど光沢が出ます。凄まじいほどビカビカです。
ただ、乾燥を防ぐための油分補給という目的であれば、質より量です。マメに、愛情を注いであげる事が、木にとって一番かと思います。



補修の仕方。

無垢の家具の最大の強みといっても過言ではない、補修が出来るという事。
今日、我々の身の回りには、プラスチック、化粧合板などの科学物質から成る家具が多く溢れ返っておりますが、 補修が出来るのは、無垢の家具だけです。

オイル塗装の家具の補修は簡単。

ウレタン塗装などの科学物質の膜で覆われていると、そうはいきません。木、剥き出しのオイル塗装でこそ、成せる業です。 特に職人さんでなくとも、一般のご家庭で簡単に出来るものもございます。その簡単に出来る、補修の仕方の一部をご紹介いたします。 私的には傷も味かと思います。

擦り傷が生じてしまった場合。

目の細かいサンドペーパーで、削って下さい。必ず、木目の方向に沿って。よく一般的に、250番〜340番とかいわれておりますが、うちのチークの家具の仕上げには、400番以上を使います。結構、ツルツル目になります。
サンドペーパーは、数字が小さい方が目が粗く、数字が大きい方が目が細かいです。 なんとなく傷が目立たなくなったら、オイルステインで塗装してください。仕上げにオイルなんか塗ってあげると最高です。
この時気をつけて頂きたいのが、絶対に突き板部分を削らないでください。無垢だから削れるのですが、突き板を削ると中の合板が見えてくる場合がございます。

ぶつけてしまい凹んでしまった場合。

これも無垢だけの成せる業です。木は、熱と水分を与えると膨らみます。この性質を利用して、ヘコミを直すわけです。
水を含んだ雑巾で水分を与え、アイロンで熱を与えてください。くれぐれも、火事や火傷にご注意ください。また、突き板相手ですと無効です。

乾燥でヒビや割れが生じた場合。

自然の摂理には勝てず、無垢のオイル塗装の家具には付き物です。弊社の家具のように、家の柱かというような太さのテーブルの脚など、特にです。 昔の木造の家の梁や柱には、背割れといい、どうせ割れるから最初から割っとくという事もございます。
即ち、ヒビや割れが生じるという事は、無垢であるという証でもあり、太い高価な材を使用しているという証でもあるわけです。 ヒビや割れは寧ろ誇りに思って良いと、私は思います。

ヒビ、割れを補修するとすれば、パテや蜜蝋、木埋めなど様々な方法がございます。
最も手軽な方法のパテ埋めは、まず、ヒビの周りをマスキングテープでふさぎます。 ホームセンターなどで売られているパテを適量塗り、テープを剥がし、乾かします。(余分なはみ出たパテは、乾く前に濡れた雑巾で拭き取ってください。) 仕上げにこれも、サンドペーパー→オイルステイン→オイルで。

サンドペーパーの使い方。

無垢の家具の補修に欠かせない、サンドペーパーのかけ方について、簡単に申し上げます。
まず、サンドペーパーは、数字が小さい方が目が粗く、数字が大きい方が目が細かいです。 順番は、荒い方から、細かい方へとかけていきます。 数字は番号の倍を目安に、上げていきます。例えば、40番→80番→160番→320番など、きっちり倍じゃなくても大体で構いません。
スタートの番号は、傷の程度に合わせて決めます。 小さい擦り傷であれば、300番〜400番などで。パテの後とか、削れていたりの場合は、40番〜80番スタートで、と私はやっております。
必ず、木目の向きに沿ってかけてください。



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